360度広がる海を見渡せる山頂からは、
強い風に流れる霧の隙間から、わずかに見えるだけであったその海から
なかなかその美しい姿を見せなかった利尻山が望まれた。
ついさっきまでいた利尻島がどんどん遠ざかる。
港からずっと船についてきたかもめの群れが船の風にあおられる。
北の最果ての始まったばかりの夏。