夜明け前から登りつづけ、ようやく現した山の頂きを前にする。
下界から眺める美しい山容からは全く想像できなかった、
火山独特の荒々しい、そして険しいこの先の道を前に一息入れる。
振り返ると、南から押し寄せてきた雲の隙間から
やさしい朝の輝きが差し込み、そして、
街や海を覆う雲を柔らかく照らし出していた。