峠の朝は、澄んだ青空に小鳥たちのさえずりがこだましていた。
観光客を迎える峠の広場に人影はなく、一人っきりの観客。
贅沢な早朝のショーは人知れず終わろうとする。
空気が温まり出す頃、霧が湧き出しやがて峠を覆った。